Salesforce上で業務プロセスを組むときの考え方

はじめに

これはSalesforce Platform Advent Calendar 2018の9日目の記事です。

freee株式会社でGYOMUハックをしているmiryです。GYOMUハックについて知りたい方はぜひこちらをご覧ください。

mirygoaround.hatenablog.com

 

この記事を読んでいるみなさんはSalesforceを業務に利用している方や、Salesforce上のアプリ開発をしている方など様々かと思います。

私は今回業務構築の観点でお話したいと思います。

Salesforceでの業務プロセスの組み方

1.何をやりたいのかを明確に

Salesforce PlatformにはSales cloud、Service cloudをはじめとする様々な機能があります。まずは、いったいどのような業務を行なっていくのかを明確にします。

 

さまざまな業務が思いつくかと思いますが、まずは何をやるのか、そして今後何をやっていく可能性があるのかをイメージしておけるとよいです。

2.どんな数字を追うのか

どんな業務を行うのかが決まったら、それぞれの業務でどんな数字をSalesforce上で追っていくのかを考えて行きましょう。このとき、追うべき数字が決まっている必要はなく、大まかな方向性が決まっているとのちのち便利です。

  • アクティビティを追うのか
  • 商談化数を追うのか
  • クオリティを追うのか
  • 顧客満足度を追うのか

この辺りを出せるだけ出して行きましょう。

3.Salesforceの機能を調べる

Salesforceでは、ある程度の業務が標準機能で準備されているので、どういう風にSalesforce上で業務を組み立てるのかも自由にできます。

ヘルプページやTrailheadで調べられるので、どんなことができるのか調べてみるのもいいかもしれません。

他にもDevelopersEditionという無料で構築できる環境もあるので、そこで触ってみるのもいいでしょう。

一番のオススメはTrailheadで、ある程度データの入っている環境を立ち上げて、インストラクションとともに操作することができます。

4.実装設計する

機能を調べたら、早速設計です。Salesforceはカスタマイズがとても柔軟にできますが、少し(かなり?)癖もあります。

オブジェクト設計

まずはオブジェクト構成です。2で大まかに追いたい数字について決めたと思うので、Salesforceのレポートでどのように集計できるのかをイメージしながらオブジェクトの構成イメージを考えます。下記の図は簡易的なものですが、データモデル図を書くのもいいです。

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オブジェクト活用を考えるときのコツは、

  • 標準オブジェクトを活用する
  • 標準項目を活用する
  • カスタム項目を活用する
  • カスタムオブジェクトを活用する

です。それぞれどのオブジェクトにどのような内容を格納するのかを考え、標準のオブジェクトが使えるときは、標準のオブジェクトを利用しましょう。

プロセスの自動化の設計

効率化のための自動化は必ずあがるリクエストだと思います。その時の実装で考えるとき、私はこのような順で考えています。

  1. 数式で対応できるか
  2. 積み上げ集計で対応できるか
  3. LEXのコンポーネントで対応できるか
  4. ワークフロールールで対応できるか
  5. プロセスビルダーで対応できるか
  6. フローで対応できるか
  7. Apexで対応できるか

エンジニアにとっては、Apexなどでコーディングするのが楽なのですが、できるだけ前述の順序で実装計画を立てるのがよいです。

理由はApexなどのカスタマイズだと、メンテナンスが大変で、どんな処理が動いているのか把握するのが複雑になってしまうのです。

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あと、下記のような機能は標準で提供されているので、ぜひ使ってみてください。

  • リードのマージ
  • リードのコンバート(取引の開始)
  • 取引先のマージ
  • 取引先責任者のマージ
  • 承認プロセス

5.実装する

Salesforceの実装をする時、いきなり本番環境に反映するのはやめましょう。

前述のDevelopersEditionやSandbox環境などで思い通りの挙動をするのかをテストしてみてください。

かなり癖があるので、あれ、これはできないんだ!とかいう細かい制約があり、苦労することこの上ありません。笑

実際に触ってみて、動かしてみて、思い通りのものを実装してみましょう。

6.動作確認

業務に実際に関わる人にも動作を確認してもらいましょう。

最初から最後の業務の流れをデモして、そしてどのようなレポートができるかを作ってみて、想定通りの動きをするのか、無理なオペレーションになっていないのかシュミレートしてみましょう。そうしてチューニングするのがよいです。

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さいごに

これから、Salesforceで業務を組むという方向けに思考プロセスをかいてみました。簡単ではありますが、参考になればと思います。